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アンカー 8

グループワークの基礎理論

 障がいも健常も区別せず、大人でも子どもでも楽しく参加できるELMOプログラム。「バリアフリー」だの「ノーマライゼーション」だのと神経質なことを考える必要はありません。グループワークでの様々な体験を通じて、個々のメンバーがそれぞれの背景と視線で、それぞれの立場から、それぞれの学びを獲得する。不自然な平等も理不尽な公平もなく、各々が各々のペースで成長していく。それを支援するのがELMOプログラムです。

 

 ELMOプログラム自体は、傍から見ればみんなで楽しく遊んでいるだけなのですが、実は深い理論的背景があります。ここでは基本的な概念をいくつか紹介します。

 

 

1.仲間を最大限に尊重するための自己契約

プログラムの初期段階の打ち合わせ(Briefing)で、グループ内の約束として提示し、全員から承認を得ることから始まります。この契約はグループの約束であると同時にプログラム全体を通じての目標でもあります。必ず守らなければならないものとして、常に提示されます。

 

 

2.ELMOプログラムのルール

 1の契約をサポートするためのルールです。この内容はメンバーには提示されませんが、グループのリーダーが実践で示して、メンバーも実践できるように奨励していきます。プログラムの初期段階では、リーダーはメンバーのいかに小さな発言でも拾い上げてグループワークに反映させるように努めます。

 

 

3.Challenge by Choice

挑戦は誰からも強制されるものではなく、自らの意志で行うもの』という概念です。

自らの意志で踏み出した挑戦は、その結果がどうあっても必ず学びがあり、成長につながります。反対に強制された挑戦は学びが得られないどころか、成長を妨げるストレスにつながりかねません。

 

 

4.体験学習サイクル

 これはELMO独自のものではなく、体験学習では常識的な考え方です。大切なポイントは、「Try & Error」と「振り返り」です。失敗から学びを獲得して次の挑戦につなげ、そしてさらなる学びを獲得する、というサイクルです

 

 

5.ELMOのアクティビティ

ELMOプログラムでは沢山のゲームがありますが、大きく分けると「アイスブレーク」、「コミュニケーションゲーム」、「課題解決型ゲーム」の3つに分類されます。その時その時のグループの状況を見て適切なレベルのゲームを選択し、グループメンバーのテンションやモチベーションを高めていきます。

 

 

6.グループダイナミクス

 グループの成長における理論的な過程です。

Forming(グループ形成)Storming(衝突)Norming(諒解、調和)Performing(達成動機)の4段階がります。それぞれの段階に応じてリーダーの立ち位置や対応行動も柔軟に変化させます。

 

 

7.アドベンチャーウェーブ

ゲームの選択によってグループのテンションやモチベーションを少しずつ上げていき、クライマックスまで上げた後にDe-Briefing(振り返り)でクールダウン。再びゲームによって次はさらに高いテンションまで上げていきます。終盤は難易度の高いゲームも達成が可能となるため、自尊感情が芽生え、さらなる挑戦への動機付けになります。

 

 

 

 理論だけ見ると、ムチャクチャ難しそうに見えますね。でも安心してください。座学で理解できなくても大丈夫。ELMOはそもそも体験学習です。ELMOを一度体験したら、あら不思議。あんなに難しそうだった理論も感覚的に理解できます。

 ELMOのゲームは楽しい集団遊びですが、それを理論的に構成すれば学習プログラムになります。ELMOで学ぶことは、人が人の社会の中で成長し力を発揮するために必要なこと、協力、信頼、挑戦する心、コミュニケーション、思いやり、優しさ...これらは人が「生きる力」です。学校の授業で勉強する国語や算数などとは違い、これらは体験を通してしか学ぶことはできません。

ともあれ、一度ELMOプログラムを体験してみてください。お勧めです。

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