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4.体験と振り返り

アンカー 1

 体重は僅かに上がることもあったが波があり、なかなか明らかな体重増加とはならなかった。血液検査では明らかな低栄養の進行はなかったが、肝臓や筋肉由来の逸脱酵素の上昇を認め、ビタミンB群欠乏も疑われたためビタミン補充療法を追加。

 漢方薬も含めて内服はしっかりできていた。

 血液検査結果を危惧した母親から食事状況に対する不満(主食ばかり食べておかずを食べない等)が吐露されることもあったが、それは言わない約束であるので、まずは本人の自主的な食事の促進を見守ることとした。

 母親が仕事で忙しい日は、診察に父親が同伴することがあったが、その時のAちゃんの表情がガラリと変わって明るくなっていることが印象的であった。

 

 

ELMOプログラムでのアプローチ

 プログラムのルールに沿って、傾聴とフィードバックを行っていく

 

 

【実際の対応】

失敗を責めない。体重や検査データについては現実として受け止め、必要な栄養は摂取するように今の努力を継続するようにフィードバック。(学校給食は全量食べる努力をしているという情報は入手済み)

 

・母娘関係に何やら感情的な問題がある様子であるが、医師としては母親の出す食事に対して信頼していること、出された食事を全量食べられるようになれば検査データも改善することを説明した。本人によると無理な食事量を押し付けられているわけでもなく、母親がちゃんと考えて料理していることは了解していた。

 

・学校で上級生から「拒食症」と言われ、それが生活上のストレスになっているという告白あり

 

・父娘関係は良好であり、父親も患児の早い回復を望んでいることを表現してもらった。

 

・約束(目標)はその都度確認して実践するように努力を促した

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